愛知県蒲郡市は、本州のほぼ中心に位置した、海と山に囲まれた海辺の観光地。
約47kmの海岸線沿いに4つの温泉地を持ち、日本の文化を感じさせる神社や仏閣の多い美しい土地です。
海から山にかけ変化に富んだ景勝は、万葉の歌人や近代の作家にも愛され、数多くの文人が好んで訪れました。
ロープなどの繊維業、蒲郡みかんなどの農産業をはじめさまざまな農商工が発展しています。
歴史
「日本後記」によると延暦18年(799年)頃から織物が行われていたとされています。それが後に三河織物へと成長し、伝統産業となりました。現在の市制は1954年にはじまり、2014年に市制60周年を迎えました。
風土
2つの大きな半島に囲まれた、温暖な気候の海辺の街で、冬中でも雪が降ることがあっても積もることはほとんどありません。雨が降る日も少なく、年に10%程です。
蒲郡の産業
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繊維業
蒲郡は早くから織物・繊維ロープ工業が発展し昭和40年代には工業製造出荷額のうち、80%近くを繊維関連が占めるほどになりました。漁業・船舶用から産業・農業資材用、海洋土木、スポーツ・レジャー用などへ多様化し、最近では超高強力素材や生分解性素材などによる新製品の開発が進められています。このほか、ゴム紐・組紐製造業などもあります。
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鉄工業
この地域では、精密機器・輸送用機器・一般機械・電気機器・金属製品・鉄鋼業等の製造業を総称して「鉄工業」と呼んでいます。蒲郡の鉄工業の歴史は、大正から昭和初期、漁業や繊維工業の発展を支える産業として始まりました。
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農業
温暖な気候を活かしたフルーツ栽培がさかんで、特に「みかん」の生産では日本国内で有名で、ハウスみかんについては日本有数の出荷量があります。「蒲郡みかん」は県内農産物で初めて地域団体商標(地域ブランド)にも登録されました。その他、イチゴ・ネギ・菊・アスパラなど、さまざまな農産物が収穫されています。
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水産業・漁業
三河湾の最深部に位置する蒲郡市は、沿岸漁船漁業と浅海養殖業を主体に三河湾・伊勢湾・渥美外海の広大な漁場で古くから水産業が営まれています。近年では養殖技術の開発普及、種苗の放流等を積極的に行い、「獲る漁業」から「育てる漁場」へと近代化がすすめられています。
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観光
蒲郡市内に約20の旅館・ホテルと4つの温泉郷を抱える「がまごおり温泉郷」は愛知県内でも有数の温泉観光地です。海と山に囲まれた風光明媚な景色と、海の幸・山の幸を使った美味しい料理が特徴。また、国の天然記念物に指定されている「竹島」、新しいイベント満載の「ラグーナテンボス」など、さまざまな観光地・観光施設もあります。
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商業
卸売業は、地場産業との関連が深く、繊維卸業を主体に、鮮魚・水産加工品を扱う事業所が多数あります。小売業は、市内各所に商店街・発展会が形成され、地域イベントも盛んで地域に根付いた商業活動を展開しています。また、近年では郊外を中心に大規模小売店舗の進出も進んでいます。